【電気工事士2種筆記】漏電遮断器の設置を省略できる屋内配線工事(R3年度下期-午後問21)

問題 <R3年下期 午後問21>
単相3線式 100V/200V の屋内配線工事で漏電遮断器を省略できないものは

<解答の選択肢>

  1. 乾燥した場所の天井に取り付ける照明器具に電気を供給する電路
  2. 小勢力回路の電路
  3. 簡易接触防護措置を施していない場所に施設するライティングダクトの電路
  4. 乾燥した場所に施設した、金属製外箱を有する使用電圧 200V の電動機に電気を供給する電路

【出典:令和3年度第ニ種電気工事士筆記試験 下期 午後問21】



省略できないのは、簡易接触防護措置を施していない選択肢3

解法と解説

方針

漏電遮断器は、毎回1問以上出題されている合格の超必須項目。重要ポイントを必ずマスターし、得点源に。

ふくラボ流攻略法

使用電圧 60V超の電路に、金属製の外箱を有する機械器具を接続する場合、電路には漏電遮断器の設置が義務付けられている。

ただし、次の条件のいずれか1つを満たせば、設置を省略できる。

  1. 機械器具を乾燥した場所に設置
  2. 機械器具の対地電圧が 150V以下で、水気のある場所以外の場所に施設する場合
  3. 機械器具に簡易接触防護措置を施す場合
  4. 機械器具が電気用品安全法の適用を受ける二重絶縁構造
  5. 機械器具に施された C種または D種接地工事の接地抵抗値が 3Ω以下
  6. 電路の電源側に絶縁変圧器を施設し、機械器具側の電路を非接地(接地しない)場合

これら条件と選択肢を見比べていく。

漏電遮断器の設置義務は、使用電圧 60V超。一方、選択肢2の小勢力回路の電路は 60V以下。なので、小勢力回路には漏電遮断器の設置義務は無い(もちろん、安全のため設置しても構わない)。なので、選択肢2は省略できる。

次、必ずマスターすべき条件の1「乾燥した場所」から、選択肢1と4は省略可能。

最後、選択肢3の「簡易接触防護措置」を施していれば省略可能、施していなければ省略不可。

以上から、省略できないのは、簡易接触防護措置を施していない選択肢3。

まとめ

漏電遮断器の設置・省略の問題の出題頻度は低いが、安全にかかわる問題であり重要な知識。

使用電圧 60V超の電路には漏電遮断器の設置が義務付けられている。ただ、次に掲げる条件の1つでも満たしていると、漏電遮断器の施設を省略できる。

  1. 機械器具を乾燥した場所に設置
  2. 機械器具の対地電圧が 150V以下で、水気のある場所以外の場所に施設する場合
  3. 機械器具に簡易接触防護措置を施す場合
  4. 機械器具が電気用品安全法の適用を受ける二重絶縁構造
  5. 機械器具に施された C種または D種接地工事の接地抵抗値が 3Ω以下
  6. 電路の電源側に絶縁変圧器を施設し、機械器具側の電路を非接地(接地しない)場合

これら6つの条件のうち、1,3,4は必ずマスターすること。この3つをマスターしておけば、選択肢を2個まで絞り込むことができる。

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