【電気工事士2種-筆記問題解説】漏電遮断器の重要ポイント

漏電遮断器は、引っ掛け選択肢を含めると、毎回1問以上出題されている合格の超必須項目。早めのマスターを。

合格するための重要ポイントは次の3つ。

  1. 図記号と外観
  2. 接地工事の接地抵抗
  3. 省略条件

出題傾向と対策

図記号と外観

筆記試験では、過電流遮断器と漏電遮断器をひっかけるような問題が頻繁に出題されている。図記号と外観をそれぞれ区別できるようにしておくこと。

図記号

漏電遮断器の図記号がこちら。

BE は Earth leakage Breaker の略。

注意:漏電遮断器の図記号は BE の他に E 単独のものも存在する。ただ、最近の筆記試験では、漏電遮断器を E ではなく BE で示されているため、この記事では BE タイプのみ示す。

ちなみに、過電流遮断器の図記号がこちら。間違わないように。

機器外観

漏電遮断器の外観が左写真、過電流遮断器が右写真。

漏電遮断器と(通常の)過電流遮断器を区別する問題が何度も出題されている。

見分け方は、
・「感度電流」という単語
テストボタン

感度電流はいくらの漏電電流で反応するかを表している。左写真では、感度電流 30mA という記載が確認できる。

テストボタンは漏電機構が正常に作動するかをチェックするボタン。過電流遮断器よりボタンが多い場合、それがテストボタンであることが多い。左写真では、赤ボタンの他に、黄色と灰色のボタンらしきものが確認できる。

接地工事の接地抵抗

接地工事では接地抵抗値が規定されていて、低圧のC種、D種接地工事はそれぞれ次の抵抗値になっている。

・C種 : 10Ω以下
・D種 : 100Ω以下

だたし、地絡が生じた場合に 0.5秒以内に電路を遮断する装置(漏電遮断器など)を電路に施設する場合、この接地抵抗値は C種、D種ともに 500Ωまでで許容される。

筆記試験では、問31-50の配線図面が記されている上に注意として、「漏電遮断器は、定格感度電流 30mA、動作時間が 0.1秒以内のものを使用している」という説明文が記述されている。

この説明文では動作時間は 0.5秒よりも短い 0.1秒以内だから、C種、D種接地工事の接地抵抗は通常の抵抗値ではなく、500Ωまで許容される。

この 0.1秒以内に動作する漏電遮断器は高速形に分類される。

省略条件

電圧が 60V超える電路に、外箱が金属製の機械器具を接続する場合、電路には漏電遮断器を設置しなければならない。

ただ、次に掲げる条件の1つでも満たしていると、漏電遮断器の施設を省略できる。

  1. 機械器具を乾燥した場所に設置
  2. 機械器具の対地電圧が 150V以下で、水気のある場所以外の場所に施設する場合
  3. 機械器具に簡易接触防護措置を施す場合
  4. 機械器具が電気用品安全法の適用を受ける二重絶縁構造
  5. 機械器具に施された C種または D種接地工事の接地抵抗値が 3Ω以下
  6. 電路の電源側に絶縁変圧器を施設し、機械器具側の電路を非接地(接地しない)場合

これら6つの条件のうち、1,3,4は必ずマスターすること。この3つをマスターしておけば、選択肢を2個まで絞り込むことができる。

過去問 <R3年下期 午後問21>

単相3線式 100V/200V の屋内配線工事で漏電遮断器を省略できないものは

<解答の選択肢>

  1. 乾燥した場所の天井に取り付ける照明器具に電気を供給する電路
  2. 小勢力回路の電路
  3. 簡易接触防護措置を施していない場所に施設するライティングダクトの電路
  4. 乾燥した場所に施設した、金属製外箱を有する使用電圧 200V の電動機に電気を供給する電路

<解法>
漏電遮断器の設置義務は、使用電圧 60V超。一方、選択肢2の小勢力回路の電路は 36V以下。なので、小勢力回路には漏電遮断器の設置義務は無い(もちろん、安全のため設置しても構わない)。なので、選択肢2は省略できる。

次、必ずマスターすべき条件の1「乾燥した場所」から、選択肢1と4は省略可能。

最後、選択肢3の「簡易接触防護措置」を施していれば省略可能、施していなければ省略不可。

まとめ

漏電遮断器は、引っ掛け選択肢を含めると、毎回1問以上出題されている合格の超必須項目。早めのマスターを。

合格するための重要ポイントは次の3つ。

  1. 図記号と外観
  2. 接地工事の接地抵抗
  3. 省略条件

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