【電気工事士2種-筆記問題解説】電線の電流減少係数の覚え方と許容電流の求め方

電線の許容電流に関する問題は、過去6回で8回出題されている合格必須項目。

合格するための重要ポイントは2つ。

  1. 電線1本の許容電流
  2. 電流減少係数

出題傾向と対策

電線の許容電流

電線(ケーブル)に電流を流すと、電線の抵抗成分により発熱し温度が上がる。

このため、電線に電流を流し続けても絶縁被覆が燃えたり性能が落ちない温度以下に保たれるように許容電流が決められている。

この温度上昇は、電線1本のときだけと複数電線を束にしているときでは異なり、束にしているほうが温度は上がりやすい。

したがって、束にしたときには、電線1本よりも許容電流は小さく設定する必要がある。この設定に電流減少係数というものが使われる。

そして、電線を複数束にしたときの許容電流は、1本の許容電流に電流減少係数を掛けて求める。

電線1本の許容電流

電線1本当たりの許容電流を次の表に示す。完全に覚えられなくても、だいたいの数値は把握しておくこと。

単線(周囲温度 30℃以下)

心線太さ [mm] 許容電流 [A]
1.6 27
2.0 35
2.6 48
3.2 62

より線(周囲温度 30℃以下)

心線太さ [mm2 許容電流 [A]
2.0 27
3.5 37
5.5 49
8.0 61

がいし引き工事のとき、電線に流せる電流の最大値が上の表の値。

電流減少係数

複数の電線を一つの管に収めるなど、束にするときの電流減少係数は次の表の通り。

束の電線数 電流減少係数
~3本 0.7
4本 0.63
5~6本 0.56
7~15本 0.49

係数は覚えにくいかもしれないが、実は7の倍数になっていることに気付いただろうか?

7の倍数になっていることに気付けば、覚えるのはそれほど苦ではないと思う。

実際の問題

R3年下期 午後問8

金属管による低圧屋内配線工事で、管内に断面積 3.5mm2 の 600V ビニル絶縁電線(軟銅線) 3本を収めて施設した場合、電線1本当たりの許容電流 [A] は。
ただし、周囲温度は 30℃ 以下、電流減少係数は 0.70 とする。

<解法>
断面積 3.5mm2 のより線の許容電流は 37A。金属管に収める電線は3本で、電流減少係数は 0.7。

したがって、許容電流は 37[A] × 0.7 = 25.9[A]

まとめ

電線の許容電流の重要ポイントは次の通り

  • 電線1本の許容電流
  • 電流減少係数
  • 関連問題
    R3年下期-午後問8
    R3年下期-午前問8
    R3年下期-午前問12(ゴムコード)
    R3年上期-午後問8
    R3年上期-午後問23(電流減少係数)
    R3年上期-午前問8
    R2年下期-午後問8
    R2年下期-午前問8

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