【電気工事士2種-筆記問題解説】接地抵抗を接地抵抗計で測定するときの方法

D種接地工事では接地抵抗は原則 100Ω、特定の条件下では 500Ω以下と決められている。この接地抵抗を接地抵抗計で測定するときの方法、特に電極の設置の仕方が過去6回で4回出題されている。

また、測定器の外観に関する問題でも、接地抵抗計は複数回出題されている。

これら接地抵抗の問題を確実に解くポイントは2つ。

  1. 接地抵抗計の外観
  2. 電極設置方法

出題傾向と対策

接地抵抗計

接地抵抗を測定するための測定器が接地抵抗計。

下の電極の設置方法で説明しているが、測定には3本のリード線を地面に埋め込んで、それを抵抗計につなげる。

だから抵抗計にも端子が3つあるのが特徴。

電極の設置方法

接地抵抗をテスタで測定するときの電極の設置方法を以下に示す。

電極端子はE,P,Cの3つ。それを

一直線上に 10m間隔
E→P→Cの順

に配置していく。

過去問

R3年上期 午前問26

直流式接地抵抗計を用いて、接地抵抗を測定する場合、被測定接地極 E に対する、2つの補助接地極 P (電圧用) および C (電流用) の配置として、適切なものは

<解答の選択肢>

<解法>
極は E→P→C の順。適切な方法は選択肢ロ

R2年下期 午後問26

直流式接地抵抗計 (アーステスタ) を使用して直流で接地抵抗を測定する場合、補助接地極 (2箇所) の配置として、適切なものは
<解答の選択肢>

  1. 被測定接地極を端とし、一直線上に2箇所の補助接地極を順次 10m 程度離して配置する
  2. 被測定接地極を中央にして、左右一直線上に補助接地極を 5m 程度離して配置する
  3. 被測定接地極を端とし、一直線上に2箇所の補助接地極を順次 1m 程度離して配置する
  4. 被測定接地極と2箇所の補助接地極を相互に 5m 程度離して正三角形に配置する

<解法>
接地抵抗を測定するときの電極は、一直線上E→P→C の順10m 間隔。適切なものは選択肢1

直流電圧(安全圏狙い)

重要ポイントからは外れる細かな知識なので、合格圏内に入ってからのマスターをお勧めするが、接地抵抗を測定するときの電圧は交流電圧である。

なぜ交流かは中学理科の水の電気分解の実験を思い出して欲しい。水に電極(金属棒)を二本沈めて、その電極に直流電源を接続し電流を流して水素と酸素を発生させる、あの水の電気分解の実験である。

水を電気分解するとき、最初は+電極、-電極それぞれから泡(水素 or 酸素) が勢いよくブクブクと発生したが、だんだんと泡の量が減っていったのを覚えているだろうか?

これは分極と呼ぶ現象が原因で、電極の周り発生した水素(イオン)、酸素(イオン)がすぐに気体となって電極から離れていってくれれば分極は起こらないのだが、離れていかないと電流の流れが邪魔されて、発生する気体が減る。これを避けるために、ほんのわずかに水酸化ナトリウムを水に溶かす(なんで水酸化ナトリウムを溶かすと良いのかは高校化学のお話になるので月愛)。

接地抵抗測定でも、直流電流を流すと土の中の水分と測定に使う電極の間で水の電気分解→分極が生じ、電流がながれにくくなる=抵抗の測定値が高くなる。これでは正しい接地抵抗が測定できなくなる。

そこで、直流電圧ではなく、+と-が入れ替わる交流電圧にすることで、分極による抵抗増加を防ぎ、正しい接地抵抗を測定する。

まとめ

接地抵抗を接地抵抗計で測定するときの方法の重要ポイント2つを確実に。

  1. 接地抵抗計の外観
  2. 電極設置方法

関連問題
R3年下期-午前問26(接地抵抗計(電池式))
R3年上期-午後問26(接地抵抗と絶縁抵抗)
R3年上期-午前問26(電極の配置)
R2年下期-午後問26(電極の配置)

検査の解説一覧

タイトルとURLをコピーしました