【電気工事士2種】低圧電路の絶縁抵抗は使用電圧と電路の対地電圧で決まる

低圧電路の絶縁抵抗に関する問題は、過去6回で8回出題されている絶対的合格必須項目。

合格するための重要ポイントは2つ。

  1. 絶縁抵抗値の表
  2. 対地電圧

出題傾向と対策

電路の絶縁

電気の流れる線(電路)は、絶縁されていないと漏電するから、当然絶縁されている必要がある。

とはいうものの、完全に絶縁することは不可能なので、抵抗●●Ω以上、もしくは漏れ電流が△△mA以下と決められている。

筆記試験では、この抵抗値を答える。

絶縁抵抗の測定

測定器

絶縁抵抗を測定するときには、

電路を電源から切り離せるとき

出題頻度が非常に高いのが、この絶縁抵抗値を求める問題。

停電させれる電路とは、電路に電流が流れないように開閉器や遮断機などで他の電路と区切ることができる電路のこと。

電路を区切って電流が流れない状態(=停電状態)で、電線同士、電路と大地間の抵抗(絶縁抵抗)を測定する。

その絶縁抵抗値が次の表に示す規定値以上であれば良い。

キーワードは電圧の 150V と 300V、抵抗値の 0.1MΩ、0.2MΩ、0.4MΩ。

数値は倍々と覚える。

問題を解くときは、最初に選択肢は見ない。そして、頭で考えるのではなく、まず上の表を問題用紙の余白に書く。それから、選択肢と比較する。

これで、思わぬ勘違いを防ぐことができる。

絶縁抵抗計(メガー)
絶縁抵抗値を測定するときには絶縁抵抗計(メガー)を使用する。

見分け方は、
・メモリ盤に大きな抵抗値を表す「MΩ」の表示
・測定高電圧を発生させる赤色の大きめの押しボタンスイッチ

電路の電流を切れないとき

出題頻度は低いのだが、電路を停電できない場合の絶縁抵抗…というか、絶縁能力(?)を答えさせる問題が出題されることもある。

この場合、電路に電流が流れているから絶縁抵抗値を測定できない。

こんな電路では、使用電圧・対地電圧に関係なく、漏えい電流が 1mA以下 であれば、上記の絶縁性能と同じ性能を有しているとみなされる。

クランプ電流計
このケースの場合、漏れ電流の測定にはクランプ電流計を使用する。

対地電圧

1種筆記試験では問題文に対地電圧が書かれているのだけれど、2種試験では、対地電圧を求める必要がある。

そこで、2種試験で注意しないといけない対地電圧について簡単に解説する。

1Φ3W 100V/200V (単相3線式) の電路は、中間線は接地されている(これは1種の範囲で、6600V→低圧(100V, 200V)に降圧するときの複線図を学ぶと理解できる。これについては、別記事で詳しく解説する)

このため、単相3線式は 200V 電圧も使うことができるが、電路と大地間の電圧=対地電圧は 100V である。

詳しい解説:単相3線式の対地電圧

一方、三相3線式 200V の電路は対地電圧 200V。ここに引っかからないように十分注意をしよう。

過去問

R3年上期 午前問25

次表は、電気使用場所の開閉器又は過電流遮断器で区切られる低圧電路の使用電圧と電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗の最小価についての表である。
次の空欄 (A)、(B) 及び (C) に当てはまる数値の組合せとして、正しいものは

<解答の選択肢>

  1. (A) 0.1, (B) 0.2, (C) 0.3
  2. (A) 0.1, (B) 0.2, (C) 0.4
  3. (A) 0.2, (B) 0.3, (C) 0.4
  4. (A) 0.2, (B) 0.4, (C) 0.6

<解法>
絶縁抵抗値は、0.1→0.2→0.4 と倍々になっていく。正しい組み合わせは選択肢2

R3年下期 午前問36

⑥で示す部分の電路と大地間の絶縁抵抗として、許容される最小値 [MΩ] は

<解答の選択肢>

  1. 0.1
  2. 0.2
  3. 0.4
  4. 1.0

<解法>
g の電路をずーっと上流にたどっていくと、1Φ3W 100/200V と書いてあるから、電路 g は単相3線式 100V/200V/ の 200V を引っ張りだした電路ということが分かる。ということは、200V 電圧ラインであっても対地電圧は 100V

対地電圧 150V以下なので、許容される絶縁抵抗値は 0.1MΩ

まとめ

低圧電路の絶縁抵抗に関する問題は、過去6回で8回出題されている絶対的合格必須項目。

合格するための重要ポイントは2つ。

  1. 絶縁抵抗値の表
  2. 対地電圧

関連問題
R3年下期-午後問26(絶縁抵抗と接地抵抗)
R3年下期-午前問36(絶縁抵抗)
R3年上期-午後問26(絶縁抵抗と接地抵抗)
R3年上期-午前問25(絶縁抵抗)
R3年上期-午前問38(絶縁抵抗)
R2年下期-午後問25(絶縁抵抗)
R2年下期-午後問36(絶縁抵抗)
R2年下期-午前問25(絶縁抵抗)

検査の解説一覧

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