問題 <R2年下期 午前問9>
図のように、三相の電動機と電熱器が低圧屋内幹線に接続されている場合、幹線の太さを決める根拠となる電流の最小値 [A] は。
ただし、需要率は 100% とする
<解答の選択肢>
- 95
- 103
- 115
- 255
【出典:令和2年度第ニ種電気工事士筆記試験下期-午前問9】
需要率は 100%。接続図から IM = 80A (→ 50A以上)、IH = 15A。したがって、IW ≧ 1.1×IM + IM = 103A
類似問題
・R3年下期-午後問9
・R3年上期-午前問9
・R2年下期-午後問9
・R2年下期-午前問9
次なる訓練問題
・前の問題(問8)
・次の問題(問10)
・令和2年度下期-午前問題一覧
解法と解説
方針
低圧屋内幹線の幹線電流と過電流遮断器の定格電流に関する問題は、過去6回で4回出題されている合格の分かれ道項目。
複数の計算式を使う必要があり難問ではあるが、解法のフローチャートをマスターできれば「いただき問題」にもなる。
ふくラボ流攻略法
幹線の太さを決定する根拠となる電流 IW [A] と幹線に施設しなければならない過電流遮断器の定格電流を決定する根拠となる電流 IB [A] を求めるため、次の3ステップを行う。
1.IH と IM を求める(需要率はここに掛ける)
2.IW を求める
3.IB を求める (←この問題では求めない)
た、だ、し、この問題は問題文に需要率 80% と記述されている。
このように、需要率が記述されているときには、IH と IM を計算するときに、需要率を掛け合わせる。
これに気を付ければ、あとの手順は同じ。
1.IH と IM を求める
分岐回路に接続された負荷電流から、電動機の定格電流の合計 IM と、その他の負荷の定格電流の合計を求める。
このとき、需要率 100% を掛けるのを忘れないこと(100%だから結果として数値は変わらないが、習慣化しておくと吉)。
IM = (30+30+20) ×1.00 = 80[A]
IH = 15[A]
2.IW を求める
幹線太さ IW を計算する手順をフローチャートにまとめてみると、こんな感じ。
このフローチャートに従って、IW を計算する。
IH と IM は上で求めたから、その2つの大きさを比較すると、IH = 15 < 80 = IM。したがって、比較(ひし形)部分は右に進む。
次は IM と 50 の比較で、IM=80 > 50 だから、次の比較は右に進む。
そこに描かれている IW を求める式に従って計算すると、
IW ≧ IH + 1.1 IM = 15 + 1.1×80 = 103
まとめ
低圧屋内幹線の幹線電流と過電流遮断器の定格電流に関する問題は、過去6回で4回出題されている合格の分かれ道項目。
次の3ステップで電流を求めていく。
- IH と IM を求める(需要率はここに掛ける)
- IW を求める
- IB を求める
類似問題
・R3年下期-午後問9
・R3年上期-午前問9
・R2年下期-午後問9
・R2年下期-午前問9
解説
・幹線回路の電線太さと遮断器容量
次なる訓練問題
・前の問題(問8)
・次の問題(問10)
・令和2年度下期-午前問題一覧