2極用遮断器には 2P1E と 2P2E という2種が存在するが、これに関する問題が過去6回で2回出題されている。
合格するための重要ポイントは2個。
- 引きはがし素子
- 中性線は引きはがし素子不要
出題傾向と対策
外観
2極の遮断器の外観がこちら。
左が 2P1E、右が 2P2E。
2P1E と 2P2E
2P1E、2P2E の中の “P” は Pole(極)を表し、Pの前の数値は、遮断器内部にある回路数(電流ラインの本数)を表す。
だから 2P は 2本の単相用、3P は 三相用と考えても良い。
一方、”E” は Element(過電流引きはずし素子)を表す。引きはずし素子は、過電流が流れたときに電路を切り離す部品。
したがって、2P2E は 2本の電流ラインのそれぞれ、計 2個の引きはがし素子が付いている。回路図をよくみると、両方のライン上に横に細長いコの字のマークがあるのが確認できると思う。
一方、2P1E は片方の電流ラインにのみ引きはがし素子が付いていて、そのラインには “L” のマークが記述されている。これに対して、付いていないほうのラインには “N” マークがある。
それじゃぁ、この2つはどう使い分けるかというと、内線規程というやつで、「中性線には過電流引きはずし素子はなくてもいい」というのがある。
つまり、電源ラインのうち中性線(接地線)は、遮断器の引きはがし素子が無い回路(極)に接続しても良いということ。
ということは、2P1E は、単相2線式、もしくは単相3線式回路の分岐110V(100V)回路に使用し、遮断器の “N”マークが付いている極には中性線を接続する。
一方、単相3線式の 200V(220V) 回路には中性線がないため、2つの引きはがし素子がある 2P2E を使用する必要がある。
もちろん 2P2E を 100V(110V)電源ラインに使用してもよいが、価格の高い 2P2E をわざわざ使うのはもったいないので、普通は使用しない。
過去問
R3年下期-午前46
16で示す図記号の機器は
<解答の選択肢>
<解法>
図記号は □B なので、漏電遮断機能が無い ふつうの遮断器。これで選択肢はイかハに絞れる。
次、遮断器が取り付けられている電路は 1Φ200V で中性線はないから、2本の電源ライン両方に引きはがし素子が付いている必要あり。
以上から、正しい遮断器は選択肢ハ。
まとめ
2極用遮断器には 2P1E と 2P2E という2種が存在するが、これら2種の重要ポイントは2個。
- 引きはがし素子
- 中性線は引きはがし素子不要