【電気工事士2種-筆記問題解説】交流回路の力率の求め方

交流回路の力率についての計算問題は、消費電力と合わせるとほぼ毎回出題される合格必須項目。

力率の重要ポイントはわずか1個。

  1. 力率の求め方(定義の公式)

出題傾向と対策

力率の求め方

次の図のような単相交流回路がある。

消費電力は抵抗で消費される電力。

一方、皮相電力は初めて聞く言葉かもしれないが、電源の電圧 V [V] と電源から流れ出す電流 I [A] を掛けた値で、単位は [V・A] である。

そして、この回路の力率は消費電力を皮相電力で割った値、%表示するときには、割った値に 100 を掛ける。

このようにして回路の力率を求めることができる。

直列接続と並列接続

上の回路は抵抗とコイルの直列接続だが、並列接続回路であっても、力率の求め方は一緒で、消費電力を皮相電力で割ればよい。

実際の問題

R3年上期-午後問4

図のような回路で、電源電圧が 24V、抵抗 R=4Ω に流れる電流が 6A、リアクタンス XL に流れる電流が 8A のとき、回路の力率 [%] は

<解法>
並列接続回路だが、力率を計算するための数値はすべて問題文に書いてくれているので、それらを洗い出してみる。

データ
電源電圧 24 V
電源電流 10 A
消費電力 144 W
力率 求める値

皮相電力 S = 24×10 = 240 [VA]
消費電力 P = I2R = 144 [W]

したがって、力率 = 144/240 = 0.6 = 60 [%}

R3年下期-午後問4

単相 200V の回路に、消費電力 2.0kW、力率 80% の負荷を接続した場合、回路に流れる電流 [A]は。

<解法>
この問題は少々珍しいパターンであるが、公式さえマスターできていれば、30秒もかからない問題。

問題文から、公式の中の数値を洗い出すと、

データ
電源電圧 200 V
電源電流 求める値
消費電力 2.0 kW
力率 80 %

この3つの数値を公式に代入すると、回路に流れる電流=電源電流は 12.5A と計算できる。

まとめ

交流回路の力率についての計算問題は、消費電力と合わせるとほぼ毎回出題される合格必須項目。

力率の重要ポイントはわずか1個。

  1. 力率の求め方(定義の公式)

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