【電気工事士２種筆記】幹線電路の電線太さと過電流遮断器の定格電流(R3年度上期-午前問9)

問題 ＜R3年上期 午前問9＞
図のような電熱器 〇Ｈ １台と電動機 〇Ｍ ２台が接続された単相２線式の低圧屋内幹線がある。この幹線の太さを決定する根拠となる電流 I_W [A] と幹線に施設しなければならない過電流遮断器の定格電流を決定する根拠となる電流 I_B [A] の組合せとして、適切なものは。ただし需要率は 100% とする

＜解答の選択肢＞

1. I_W=50、I_B=125
2. I_W=50、I_B=130
3. I_W=60、I_B=130
4. I_W=60、I_B=150

【出典：令和３年度第ニ種電気工事士筆記試験上期-午前問9】

類似問題
・R3年下期-午後問9
・R3年上期-午前問9
・R2年下期-午後問9
・R2年下期-午前問9

同じ年度の問題
・前の問題(問8)
・次の問題(問10)
・令和３年度上期-午前問題一覧

解法と解説

方針

低圧屋内幹線の幹線電流と過電流遮断器の定格電流に関する問題は、過去６回で４回出題されている合格の分かれ道項目。

複数の計算式を使う必要があり難問ではあるが、解法のフローチャートをマスターできれば「いただき問題」にもなる。

ふくラボ流攻略法

この問題は、幹線の太さを決定する根拠となる電流 I_W [A] と幹線に施設しなければならない過電流遮断器の定格電流を決定する根拠となる電流 I_B [A] を求めるため、次の３ステップを行う。

１．I_H と I_M を求める(需要率はここに掛ける)
２．I_W を求める
３．I_B を求める

１．I_H と I_M を求める
分岐回路に接続された負荷電流から、電動機の定格電流の合計 I_M と、その他の負荷の定格電流の合計を求める。

I_M = 20+20 = 40[A]
I_H = 10[A]

２．I_W を求める
幹線太さ I_W を計算する手順をフローチャートにまとめてみると、こんな感じ。

このフローチャートに従って、I_W を計算する。

I_H と I_M は上で求めたから、その２つの大きさを比較すると、I_H = 10 < 40 = I_M。したがって、比較(ひし形)部分は右に進む。

次は I_M と 50 の比較で、I_M=40 < 50 だから、次の比較は左に進む。 そこに描かれている I_W を求める式に従って計算すると、

I_W ≧ I_H + 1.25 I_M = 10 + 1.25×40 = 60

３．I_B を求める
遮断器の最低容量 I_B を計算するフローチャートが次の図である。

電動機は接続されているから、最初の比較は右にすすむ。

次に２つの数値を計算する。

I_H + 3 I_M = 10 + 3×40 = 130
2.5 I_W = 2.5×60 = 150

これら２つの大小を比較すると、

I_H + 3 I_M = 130 < 150 = 2.5 I_W

なので、左に進む。すると、

I_B ≦ I_H + 3 I_M = 130

まとめ

低圧屋内幹線の幹線電流と過電流遮断器の定格電流に関する問題は、過去６回で４回出題されている合格の分かれ道項目。

次の３ステップで電流を求めていく。

類似問題
・R3年下期-午後問9
・R3年上期-午前問9
・R2年下期-午後問9
・R2年下期-午前問9

解説
・幹線回路の電線太さと遮断器容量

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