交流回路の問題は毎回出題される合格超必須項目。
重要ポイントは2つ。
- 力率
- 三相交流回路の線間電圧と相電圧
この記事では、2の三相交流回路の線間電圧と相電圧について解説する。
出題傾向と対策
いきなりだが、ここで過去問をみてもらおう。
問題 <R3年下期 午前問5>
図のような三相負荷に三相交流電圧を加えたとき、各線に 20A の電流が流れた。線間電圧 E[V] は
この問題、すんなり解けるだろうか?
解ける場合には、以下の解説は不要。他の解説に移動してもらったほうがよい。
もし解けない場合は、以下の解説を十分マスターしてほしい。
問題の解き方
負荷はスター結線(Y結線)。
6Ω抵抗に 20A 流れたということは、抵抗両端の電圧は 6×20=120V で、これは相電圧に等しい。
そして、線間電圧 E[V] は相電圧の √3倍。
したがって、E[V] = 120 × √3 = 207.8 …
3相交流回路
三相交流回路は、単相交流回路を3つ下の図のように接続し、各交流電源の位相を 120度ずつずらして電力を負荷に供給する。
で、電源の電圧と周波数、負荷容量(抵抗負荷の場合は抵抗値)が等しいと、3つの電線が重なっている部分には電流が流れない。だから、この部分の電線を中性線と呼ぶ。
流れないのなら不要ということで、、中性線を取り払ってしまうと、次の回路ができあがる。
これが三相交流回路の正体。
相電圧と線間電圧
中性線と取っ払ったとはいえ、元の回路は単相交流回路を3つくっつけたもの。
もう一度、3つを組み合わせた回路で説明すると、単相交流回路の1つの電源の電圧=負荷にかかる電圧のことを、単相の電圧ということで相電圧と呼ぶ。
これに対して、三相交流回路には電源ラインが3本あるが、この電源ライン間の電圧を線間電圧と呼ぶ。
んで、ここが重要だが、相電圧と線間電圧の間には次の関係がある。
線間電圧 [V] = √3 × 相電圧 [V]
これを必ずマスターするように。
なお、この関係式の導出は、三角関数、ベクトル、複素平面といった数学の基礎知識が必要のため、この記事では解説を省略しておく。
過去問
問題 <R3年下期 午前問5>
図のような三相負荷に三相交流電圧を加えたとき、各線に 20A の電流が流れた。線間電圧 E[V] は
<解法>
負荷はスター結線(Y結線)。
6Ω抵抗に 20A 流れたということは、抵抗両端の電圧=相間電圧は 120V。
そして線間電圧は相間電圧の √3 倍なので、208V
まとめ
三相交流回路の重要ポイントは次の2つ。
合格するための重要ポイントは次の通り
- 力率
- 三相交流回路の線間電圧と相電圧
関連問題
・R3年下期-午前問5
・R2年下期-午後問5