【電気工事士2種-筆記問題解説】電線を接続するときの3ポイント

電線の接続に関する問題は、過去6回で3回出題の合格の分かれ道項目。

合格するための重要ポイントは3つ。

  1. 抵抗増加は厳禁
  2. 引張り強さ低下は 20%未満
  3. 同等の絶縁被覆

出題傾向と対策

抵抗増加は厳禁

接続部分での抵抗増加は厳禁

というのも、電線の許容電流は、その電流をずっと流し続けたときの温度上昇でも絶縁被覆が劣化しないように決められている。

そんなとき、接続部分で抵抗が増加していたら、許容電流を流すとその部分で余分に温度が上昇し、絶縁被覆が劣化してしまうかもしれない。

だから、抵抗の増加は厳禁である。

引張り強さ低下は 20%未満

引っ張り強度は、抵抗と異なって 20% 未満の低下までは許容されている。

この「20」という数値を覚えておこう。

同等の絶縁被覆

絶縁能力に関する問題は、細かい数値を覚える必要があり、確実に正解しようとするとけっこう労力が必要。

まず、差込形コネクタを使用した場合、コネクタは樹脂製で絶縁されているから、特に作業は不要。

一方、リングスリーブで接続したり、はんだ付けした場合など、金属がむき出し=非絶縁状態では、絶縁テープを巻いて絶縁する必要がある。

絶縁テープの巻き方は、使用するテープによって次のように決められている。

テープ種類 巻き方
ビニルテープ
(厚さ約0.2mm)
半幅以上重ねて2回以上(4層以上)巻く
黒色粘着性ポリエチレン絶縁テープ
(厚さ約0.5mm)
半幅以上重ねて1回以上(2層以上)巻く
自己融着性絶縁テープ
(厚さ約0.5mm)
半幅以上重ねて1回以上(2層以上)巻き
その上に保護テープを半幅以上重ねて1回以上巻く

まず上2つのテープをマスターし、それから自己融着性テープは保護テープも巻くことをマスターしよう。

過去問

R3年上期 午後問19改

単相 100V の屋内配線工事における絶縁電線相互の接続で、次のような箇所があった。a~d のうちから適切なものを全て選べ

  1. 電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力のあるもので十分被覆した
  2. 電線の引張強さが 10%減少した
  3. 電線の電気抵抗が 5%増加した
  4. 電線の電気抵抗を増加させなかった

<解法>
電線相互の接続で、接続部分で電気抵抗が増えるのは厳禁。残りの選択肢は適切

R3年下期 午後問19

600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形 1.6mm を使用した低圧屋内配線工事で、絶縁電線相互の終端接続部分の絶縁処理として不適切なものは。
ただし、ビニルテープは JIS に定める厚さ約 0.2mm の電気絶縁用ポリ塩化ビニル粘着テープとする

<解答の選択肢>

  1. 差込形コネクタにより接続し、接続部分をビニルテープで巻かなかった
  2. リングスリーブ (E形) により接続詞、接続部分を黒色粘着性ポリエチレン絶縁テープ (厚さ約 0.5mm) で半幅以上重ねて 1回(2層) 巻いた
  3. リングスリーブ (E形) により接続し、接続部分をビニルテープで半幅以上重ねて 1回(2層) 巻いた
  4. リングスリーブ (E形) により接続し、接続部分にリングスリーブ用の絶縁キャップを被せ、ビニルテープで巻かなかった

<解法>
厚さ0.2mm のビニルテープで絶縁処理するときは 2回(4層)以上巻く。不適切なのは、選択肢3

まとめ

電線の接続に関する問題は、過去6回で3回出題の合格の分かれ道項目。

合格するための重要ポイントは3つ。

  1. 抵抗増加は厳禁
  2. 引張り強さ低下は 20%未満
  3. 同等の絶縁被覆

関連問題
R3年下期-午後問19(絶縁処理)
R3年上期-午後問19(総合)
R2年下期-午後問19(絶縁処理)

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