低圧屋内配線で施工できる工事の種類と条件は、過去6回で3回出題の合格の分かれ道項目。
分かれ道項目だが、重要ポイントは2つ。
- 次の4工事はどこでも可能
・金属管
・ケーブル
・合成樹脂管(CD管除く)
・金属可とう電線管工事(2種) - 他の工事は(ほぼ)乾燥した場所のみ
出題傾向と対策
可能な工事条件
あなたが持っている電工2筆記のテキストの中に、「電気工事と施工できる場所」というような節があると思う。そこには、「工事の種類」「展開/隠ぺい」「乾燥/水気」という言葉が詰まった表があると思う。
それをじっくり眺めてながら、次の説明と照らしあわせて欲しい。
全部可能な4工事
表を見ると、次の4つの工事はすべてOK(施工可能)になっているだろう。
・金属管
・ケーブル
・合成樹脂管(CD管を除く)
・金属可とう電線管(2種)
この4つの工事は「屋内」の工事ならどこでもOK。繰り返す、「屋内」ならどこでもOK。
これが理解できていると、小難しく感じる問題も解くことができる。
他は(原則)乾燥した場所のみ
上の4工事に対して、次の工事は「乾燥した場所」のみ工事が可能。
・金属線ぴ
・ライティングダクト
・フロアダクト
・セルラダクト
・平形保護層
これが理解できていると、全部OKの4工事と組み合わせることで、ほぼすべての問題を解く、もしくは選択肢を絞り込むことができる。
湿気・水気のある場所
残る次の2つの工事は、例外的に湿気・水気のある場所でもOK。
・バスダクト
・がいし引き
過去問
R3年上期 午前問19
次表は単相 100V 屋内配線の施設場所と工事の種類との施工の可否を示す表である。表中の a~f のうち、「施設できない」ものを全て選んだ組合せとして、正しいものは
<解法>
表を見て「なに?これ?」と怯んだかもしれないが、次の3手順で正解にたどり着ける。
手順1:全可能な4工事
全可能な4つの工事「金属管、ケーブル、合成樹脂管(CD管を除く)、金属可とう電線管(2種)」を思い出せば、a、b、c、d は「施設できない場所ではない」ということがすぐ判断できる。
したがって、a ~ d を含んでいる選択肢1と3は正解ではなく、残るは2「e のみ」、4「e, f」に絞れる。
手順2:乾燥した場所
残るは e のみか、e + f 。
次に、残る工事は「ほぼ」乾燥した場所だけで、湿気・水気の多い場所では施工できない、ことを思い出す。
すると、e は絶対に工事できないことは明らか。
その3:工事を思い出す
最後は、f が含まれるかどうか。ここは、ライティングダクトに関するあなたの一般的な記憶に頼る必要がある。
ライティングダクトがどこにあったかを思い出してもらうと、天井からぶら下がっているのはよく見るから、展開した場所はOK。
また、ライティングダクトは自分で好きな電灯を取り付けるわけだから、点検できない隠ぺい場所には施設しない。一方、点検できるなら隠ぺい場所でも電灯を取り付けれるよなぁ…と考える。
そうすれば、施設できないのは e のみ、選択肢2ではないかとなる。
R2年下期 午後問20
使用電圧 100V の屋内配線の施設場所による工事の種類として、適切なものは
<解答の選択肢>
- 点検できない隠ぺい場所であって、乾燥した場所の金属線ぴ工事
- 点検できない隠ぺい場所であって、湿気の多い場所の平形保護層工事
- 展開した場所であって、湿気の多い場所のライティングダクト工事
- 展開した場所であって、乾燥した場所の金属ダクト工事
<解法>
手順1:全可能な4工事
選択肢に記述されている工事を見ると、全可能な4工事は含まれていないので、この手順では選択肢は絞れない。次に進む
手順2:乾燥した場所
4工事を除けば、原則乾燥した場所。すると、選択肢2と3の「湿気の多い」のは、たぶん×と目星をつける
手順3:展開した場所
最後、選択肢1は、点検できない隠ぺい場所-金属線ぴ、選択肢4、展開-金属ダクトだが、床下や天井にしか施工しない工事を除けば、展開した場所はOKのことが多い。
そこで、選択肢4が正解とたどり着く。
まとめ
低圧屋内配線で施工できる工事の種類と条件は合格の分かれ道項目。重要ポイントは2つ。
- 次の4工事はどこでも可能
・金属管
・ケーブル
・合成樹脂管(CD管除く)
・金属可とう電線管工事(2種) - 他の工事は(ほぼ)乾燥した場所のみ
関連問題
・R3年上期-午前問19(施工場所)
・R2年下期-午後問20(施工場所)
・R2年下期-午前問19(施工場所)
・電気工事の解説一覧