【電気工事士2種筆記】三相3線式回路の断線前後の電圧(R3年度上期-午前問5)

問題 <R3年上期 午前問5>
図のような三相3線式 200V の回路で、c-o間の抵抗が断線した。断線前と断線後の a-o間の電圧 V の値 [V] の組合せとして、正しいものは

<解答の選択肢>

  1. 断線前 116、断線後 116
  2. 断線前 116、断線後 100
  3. 断線前 100、断線後 116
  4. 断線前 100、断線後 100

【出典:令和3年度第ニ種電気工事士筆記試験上期-午前問5】



断線前はスター結線負荷だから、1相分の抵抗両端の電圧は 200/(√3)=116[V]。断線後は、200V電源に抵抗値の等しい抵抗が2つ直列接続されているから、抵抗1つ両端の電圧は 100V。正しい組み合わせは選択肢2

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解法と解説

方針

この問題は、三相回路の断線という珍しいタイプ。
ただ、三相交流回路の線間電圧に関連する問題は、過去6回で4回出題の合格の必須項目。次の重要ポイントを押さえたあと、断線の問題も解けるようにしよう。

スター結線の線間電圧 [V] = √3 × 相電圧 [V]

ふくラボ流攻略法

三相交流回路スター結線の相電圧と線間電圧を図示すると、

図中にも書いてある通り、(負荷が)Y結線で回路が対称(それぞれの負荷が等しい)とき、次の関係式が成り立つ。

線間電圧 [V] = √3 × 相電圧 [V]

問題文の回路はY結線で、3つの負荷はいずれも R と記述されており、等しい、つまり対称な回路。

したがって、1つの 抵抗 R にかかる電圧 = 相電圧

相電圧 V P = 200 / √3 = 115.4… [V]

次、問題文の図のように c-o 間の抵抗が断線すると、この抵抗および電路は回路に存在しないことになる。

この状況を、分かりやすいように電源側に Y結線電源を描画して示すと、次のようになる。

つまり、交流 200V 電源に、大きさの等しい負荷 R が 2個直列に接続されている回路である。

したがって、断線後の V の大きさは 200V の半分、100V となる。

まとめ

三相交流回路で負荷がY結線のとき、線間電圧に関連する重要ポイントは、

  • 線間電圧 [V] = √3 × 相電圧 [V]
  • 関連問題
    R3年下期-午後問5(線電流)
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    解説
    三相交流回路の相電圧と線間電圧

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