接地工事、中でも D種接地工事は毎回ほぼ必ず出題され、しかも2~3問出題される試験もあるという、合格超重要項目の一つ。
合格するための重要ポイントは4つ。
- 工事種類と300V
- 接地抵抗
- 接地線太さ
- 省略条件
出題傾向と対策
300V
接地工事は A種, B種, C種, D種の4種類があり、このうち低圧工事を行う電気工事士2種の筆記試験で出題されるのは、低圧の C種 と D種である。
この2つは使用電圧 300V を境界として、300V超が C種、300V以下が D種である。
この境界電圧の 300V はきっちり押さえよう。
接地抵抗
D種接地工事の接地抵抗は原則 100Ω以下。
ただし、高速(0.5秒以下)作動する漏電遮断器が電路上流に設置されていれば 500Ω まで許容される。
接地線太さ
D種接地工事で使用する電線の太さは単心 1.6mm以上。
VVF用ストリッパで被覆を剥ける太さと覚えておくといいかも(1種技能で IV線(緑) 1.6mm を接続する練習をするので、自分はそれで覚えた)。
省略条件
D種接地工事は、以下の条件をクリアすれば省略することができる。
- 対地電圧 150V以下の交流電路で乾燥した場所に電気器具・装置を施設する場合
- 絶縁性の台・床の上に施設する場合(コンクリート床は省略不可)
- 二重絶縁構造
- 絶縁変圧器(線間電圧 300V以下、容量 3kVA以下)を利用して2次側の負荷電路(非接地)に電源を供給する場合
- 水気のある場所以外の場所に器具・装置を施設し、その供給電路に漏電遮断器(15mA以下、0.1秒以下)を施設する場合
これらを完全にマスターすることができるのが理想だが、全部マスターは労力がいるので、まずは乾燥した場所、150V以下を覚え、過去問を解きながら他の条件もマスターしていくのがお勧め(この2つだけで正解にたどり着けることもある)。
過去問
接地線太さと接地抵抗
問題 <R3年下期 午後問38改>
⑧で示す部分の接地工事の電線(軟銅線)の最小太さと、接地抵抗の最大値との組み合わせで、正しいものは。なお、「□b」は三相200V回路である
<解答の選択肢>
- 1.6mm 100Ω
- 1.6mm 500Ω
- 2.0mm 100Ω
- 2.0mm 600Ω
<解法>
電路は三相 200V なので、接地工事は D種。
接地線太さは 1.6mm 以上。
D種の接地抵抗は原則 100Ωだが、電路 b には0.5秒よりも短い 0.1秒で動作する漏電遮断器が設置されている。したがって、接地抵抗は 500Ω以下でOK。
以上から、正しい組み合わせは 1.6mm 500Ω
問題 <R3年下期 午前問38改>
⑧で示す部分の接地工事の種類及びその接地抵抗の許容される最大値 [Ω] の組合せとして、正しいものは
<解答の選択肢>
- A種接地工事、10Ω
- A種接地工事、100Ω
- D種接地工事、100Ω
- D種接地工事、500Ω
<解法>
⑧がつながっているコンセントは 200V 使用するので、接地工事は D種。
D種の接地抵抗は原則 100Ω 以下。
ただしこの問題では、コンセントの上流(電路g)を追っかけていくと、漏電時に高速(0.5秒以下)で遮断できる漏電遮断器が設置されている。このため、接地抵抗は 500Ω まで許される。
正しい選択肢は選択肢4
D種接地工事の省略
問題 <R3年下期 午前問20>
D種接地工事を省略できないものは。ただし、電路には定格感度電流 15mA、動作時間が 0.1秒以下の電流動作型の漏電遮断器が取り付けられているものとする
<解答の選択肢>
- 乾燥した場所に施設する三相 200V (対地電圧 200V) 動力配線の電線を収めた長さ 3m の金属管
- 乾燥した木製の床の上で取り扱うように施設する三相 200V (対地電圧 200V) 空気圧縮機の金属製外箱部分
- 水気のある場所のコンクリートの床に施設する三相 200V (対地電圧 200V) 誘導電動機の鉄台
- 乾燥した場所に施設する単相3線式 100/200V (対地電圧 100V) 配線の電線を収めた長さ 7m の金属管
<解法>
D種接地工事を省略できるのは乾燥した場所に限る。省略できないのは、「水気のある」選択肢3
まとめ
接地工事は合格超重要項目の一つ。超重要ポイントは4つ。
- 接地抵抗
- 300V
- 接地線太さ
- 省略条件
関連問題
・R3年下期-午後問22(施工条件)
・R3年下期-午後問26(絶縁抵抗と接地抵抗)
・R3年下期-午後問38(接地線太さと抵抗値)
・R3年下期-午前問20(省略条件)
・R3年下期-午前問38(抵抗値)
・R3年上期-午後問22(省略条件)
・R3年上期-午後問26(絶縁抵抗と接地抵抗)
・R3年上期-午後問37(抵抗値)
・R2年下期-午後問22(施工条件)
・R2年下期-午後問38(工事種類と太さ)
・R2年下期-午前問22(省略条件)
・R2年下期-午前問26(接地線太さと抵抗値)
・R2年下期-午前問36(工事種類と抵抗値)
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